事務所便り

2022年年始挨拶

令和4年1月1日

相川から謹んで新年のご挨拶を申し上げます。


 利益の最大化を目的とする資本主義は、成長のエンジンとして巨大な富を生み出したものの、その副産物として、看過できない格差と分断、そして環境破壊をもたらしました。仕事を通じて尊厳を高めるべき「人」は、会計上ただのコストとして扱われ、機械やインフラなどの「人工資本」は約20年間で倍増した一方、森林や海産物などの「自然資本」は約4割も減少しています。

 もはやこれまでの資本主義は持続可能ではなく、公益、SDGs、志本主義など、これまでの概念を修正する新しい価値基準が必要となっています。

 こうした中、企業も新たな存在意義、すなわち株主利益ではなく、顧客、従業員、未来世代などの利害関係者、社会課題、地球環境などに配慮した「パーパス」の定立が求められていて、人々の「ウェルビーイング」(心身の幸福)を実現していくことこそが持続成長の道筋となっています。

 奇しくも私益と公益の両立を説き、「社会を幸福にする価値創造」を追求した渋沢栄一が再評価されたのは、まさに時代の要請といえるでしょう。



 本年もよろしくお願い申し上げます。


令和4年 元旦